千葉県で急増し、問題視されている外来種「キョン」。
小型のシカに似た動物ですが、独特な外見や鳴き声が「気持ち悪い」と話題になることも。
さらに、生態系への影響や農作物被害が深刻化し、地域住民の間で危機感が高まっています。
本記事では、キョンの特徴や増殖の実態、そして私たちの生活に及ぼす問題について詳しく解説します。
あなたの身近にもキョンが潜んでいるかもしれません――その実態を知り、対策を考えましょう。
キョンの基本情報
キョンは、日本では外来種として知られる小型のシカです。
もともとは中国南東部や台湾に生息していましたが、1980年代に日本へ持ち込まれました。
現在は特に千葉県や伊豆大島で繁殖が進み、地域住民にとって深刻な問題となっています。
見た目は一般的なシカとは異なり、体長は45~70cm、体重は10~17kgほどの小柄な体格です。
オスには短い角と犬歯があり、この犬歯が鋭く発達しているのが特徴的です。
キョンは特定外来生物に指定されており、農作物の被害や生態系への影響が懸念されています。
その増加を抑えるため、各自治体では駆除活動が進められています。
キョンの外見的特徴
キョンが「気持ち悪い」とされる大きな要因の一つに、その外見があります。
特に目の下にある大きな臭腺(眼下腺)は、多くの人に違和感を与える部分です。
この臭腺がまるで“もう一対の目”のように見えることから、「四目鹿(ヨツメジカ)」と呼ばれることもあります。
また、体色は茶褐色で、四肢は黒っぽいのが特徴的です。
シカの仲間にしては比較的小柄で、胴長短足のようなバランスの取れた体型をしています。
目の周りの模様や臭腺の存在が一般的なシカとは異なるため、不気味に感じる人も少なくありません。
さらに、オスのキョンには発達した犬歯があり、これが剥き出しになると肉食獣のような印象を与えます。
こうした特徴が組み合わさることで、キョンの姿は一部の人々に「気持ち悪い」と認識されるのでしょう。
キョンの鳴き声の特徴
キョンが「気持ち悪い」と言われるもう一つの理由が、その独特な鳴き声です。
特に驚いたときや捕獲されたときには「ギャー」という高く響く悲鳴のような声を発します。
これがまるで人間の叫び声のように聞こえるため、初めて聞いた人は驚くことが多いようです。
さらに、夜間に活動することが多いため、住宅街などでこの鳴き声が響くと、不気味さを感じる人もいます。
犬の鳴き声と間違われることもありますが、実際にはより甲高く、切羽詰まったような響きが特徴です。
この鳴き声を何度も聞かされると、不安感を抱く住民が増えるのも無理はありません。
キョンの生態と行動
キョンは、非常に繁殖力の高い動物です。
そのため、一度定着すると個体数が急増しやすく、生態系や農業に大きな影響を与えます。
キョンの繁殖と生息地
キョンは一年中繁殖が可能で、メスは生後半年ほどで繁殖能力を持ちます。
年間を通じて繁殖と出産を繰り返すため、放置すると急激に増えてしまいます。
千葉県では、もともと動物園などで飼育されていた個体が逃げ出し、野生化したことで爆発的に個体数が増えたんですね!
千葉県での推定生息数は3,680~14,022頭とされています(平成21年3月時点)
また、キョンは森林だけでなく市街地にも出没するため、人間の生活圏と重なりやすいのも問題です。
住宅街の庭先や畑で目撃されることも多く、住民の間で不安が広がっているようです。
キョンが気持ち悪いとされるもう一つの理由
キョンが「気持ち悪い」とされるのは、単なる外見や鳴き声の問題だけではありません。
その行動も不気味さを助長する要因となっています。
例えば、キョンは驚いたときに素早く逃げるだけでなく、突如立ち止まり、こちらをじっと見つめることがあります。
この行動が、まるで威嚇しているように見えたり、不安感を抱かせたりするのです。
また、眼下腺を頻繁に開閉する様子が異様に見えることもあります。
通常のシカではあまり見られない動きであり、これが「不気味」と感じられる一因となっているようです。
キョンの影響と問題点
キョンの増加は、地域社会や生態系に深刻な問題を引き起こしています。
まず、農作物への被害が大きな課題です。
キョンは雑食性で、農家が育てた野菜や果樹を食い荒らすことが報告されています。
特に葉物野菜や果樹の新芽が被害を受けやすく、農業従事者にとっては大きな痛手となっています。
また、生態系への影響も無視できません。
キョンは在来の植物を大量に食べるため、森林の植生が変化し、それに依存する昆虫や鳥類の生息環境が破壊されることが懸念されています。
さらに、競争関係にある在来のシカや他の草食動物の生息数にも影響を及ぼす可能性があります。
人間とのトラブルも増加しています。
市街地への出没が増え、交通事故の原因となるケースも!?
夜間の道路に突然飛び出してくることがあり、ドライバーにとっては大きな危険となっています。
キョンに対する対策
キョンの被害を防ぐため、自治体や地域住民が協力して対策を講じています。
特に、以下のような方法が有効とされています。
■捕獲と駆除
箱罠などを用いた捕獲が進められていますが、個体数が多いため追いつかないのが現状です。
■フェンス設置
農作物の被害を減らすため、電気柵や防護ネットの設置が行われています。
■生息数調査と管理
キョンの生息範囲を正確に把握し、効果的な管理方法を模索する取り組みが進められています。
しかし、キョンの繁殖力の高さや生息範囲の拡大を考えると、根本的な解決には時間がかかるでしょう。
今後も継続的な対策が求められます。